
概要
モータースポーツは、乗り物を使って地上を速く安全に走りたいという人間の欲求を具現化したものである。操る人の動体視力、瞬間瞬間の車の状態が判ること(感性)、変化する空気・路面状態・車に対応するマシンコントロール能力と、走る自動車・二輪車の性能を競う。日本のメディアの扱い方にはバイアスが掛かっているため判りづらいが、基本的には「速く走る」ことが目的では無く、「相手よりも早く無事に目的地につく」という本質がある為、競技によってはル・マン24時間レースなどのように「ゴール出来ないと完走扱いとならない(表彰の対象とならない、ポイントを与えないなど)」レースもある。
人力のみではなく機械という道具を介在させ不確定な多要素の下に行われるスポーツでもある。それが競技参加者、観客を含み世界中のファンを魅了して居るが、同時にこれまでにもレーシングドライバー、ライダー、観客を含めて数多くの犠牲者を出しているスポーツでもある。
大きな大会に出場するには各国の自動車協会から発行されたライセンスが必要である。また、道具を揃えるのにたいへんお金の掛かる競技だが、普通の乗用車で参加出来るジムカーナやダートトライアルの下位クラス、低価格でサーキットを走行する催し(走行会、フリー走行)、レンタルで乗れるカート (Kart) など、初心者が比較的手軽に参加出来る分野もある。また、世界各地に気軽な走行ができるミニサーキットが点在している。
自動車メーカーがモータースポーツに参戦するメリットとして、メーカーや製品(車両)に対する大きな宣伝効果を得ることができる点が挙げられる。また極限状態でレースを行うことで得られるデータやノウハウをそのまま市販車にフィードバックすることで、より消費者に満足される製品を開発するための手助けとなる。 しかしレースに参戦するためには、ワークス参戦であれプライベート参戦であれ多額の資金を必要とする。またレースに参戦してそれらの恩恵を受けたくても、レースによってはホモロゲーション等の理由によって参戦できない場合がある。これは一定の期間に一定以上の生産台数を超えていないとレースに参加できない等といったものであり、今までレースに参戦していたメーカーや車両が規定の変更により撤退を余儀なくされることがある。
歴史
ヨーロッパのフランスやドイツ、イギリスなどの自動車先進国では、自動車の誕生と共にモータースポーツが始まったといってよい。1900年代 - 1920年代のモータースポーツの黎明期からモータースポーツに積極的に参戦している自動車メーカーとしては、フランスのルノーとドイツのメルセデス・ベンツ、アウディ(アウトウニオン)などが有名で、各社ともにモータースポーツへの参戦を通じて、技術の革新と安全性の向上、そしてモータースポーツに参加することによるイメージの向上を行うことで、現在も世界をリードする自動車会社の一つとして君臨している。
また、イタリアのアルファ・ロメオやフェラーリ、イギリスのベントレーや日本のホンダ、アメリカのフォードなど、モータースポーツへの参戦を通じてその技術力や知名度、ブランドイメージを向上させた会社も多い。
競技への参加形態
参加形態の分類
- ワークス
- 自動車製造会社が自社の資金、特別車(ワークスマシン)で参加する。
- セミワークス
- 自動車製造会社が注目するチーム(選手)にワークスマシンを貸与し、参加(させる)。
- 個人(プライベーター)
- 個人で市販車を購入し、参加する。
参加形態の現状
自動車製造会社の製造する自動車が競技において優秀な成績をあげることは、当該企業のイメージアップや該当する車種の販売に影響を与える。そのため製造各社は様々な形で競技参加者を支援しており、個人の参加車にもサポートをする(セミワークス、部品供給など)。
また、競技の参加にはほとんどの場合多額の資金やメカニック・エンジニア等のスタッフが必要になるため、競技参加者は広く経済社会全体からスポンサーを見つける努力をする事が多い。スポンサーによる資金の提供を受けた場合は、野球など他のスポーツ同様、選手のレーシングスーツや車体にスポンサーのステッカーを貼って広告とする。普通チームで争われるプロスポーツではスポンサーも大半がチーム単位となるが、モータースポーツではチームとは別にドライバー個人に対しスポンサーが付く(パーソナルスポンサー)場合も少なくないのが特徴で、プライベーターチームでは契約を希望するドライバーに対しスポンサーの持込を要求することも珍しくない。
しかしタバコメーカーは屋外広告の禁止や禁煙問題で撤退したり、アルコール飲料のスポンサー(特にF1、NASCAR等)も、飲酒運転の問題などで規制される傾向にある。